ニキビ跡の赤み(PIE)や黒ずみ(PIH)に悩む方にとって、アゼライン酸(壬二酸)は頼れる味方です。今回の研究では、15%アゼライン酸ジェルの効果と安全性が検証され、その有効性が示されました。この記事では、その研究結果をわかりやすく解説します。

アゼライン酸とは?

アゼライン酸は、抗炎症、抗菌、そして角化を抑える特性を持つ成分です。ニキビ治療や、ニキビ跡の赤み(PIE)・黒ずみ(PIH)の改善に広く用いられています。特に、ニキビ後の色素沈着に対する効果が期待されており、肌のトーンを整えるための一助となります。

研究の目的

この研究では、15%アゼライン酸ジェルがニキビ後の炎症後紅斑(PIE)および炎症後色素沈着(PIH)にどの程度効果があるのか、さらにその安全性についても評価されました。


1. 実験方法

72名の軽度から中等度のニキビ患者を対象に、ランダム化二重盲検安慰剤対照試験が行われました。被験者は、15%アゼライン酸ジェルを1日2回、12週間にわたって使用するグループと、アゼライン酸を含まないジェルを使用するグループに分けられました。

臨床評価は、0週、4週、8週、12週に実施され、非侵襲的な肌分析技術(VISIA分析やダーモスコピーなど)を使用して、メラニン量、血色素量、水分量、経表皮水分損失などの項目が測定されました。


2. 実験結果

赤み(PIE)と黒ずみ(PIH)は、8週および12週の時点でアゼライン酸を使用したグループにおいて有意に改善しました。(a,b.c,d)

  • メラニン量の減少:アゼライン酸を使用したPIHの部位では、12週目に顕著なメラニンの減少が確認されました。
  • 血色素量の減少:アゼライン酸を使用したPIEの部位では、血色素の量が減少し、赤みが軽減。
  • 生活の質の向上:アゼライン酸使用グループの患者は、生活の質(DLQI)や満足度も向上。

効果のまとめ

  • PIE(赤み)改善率:アゼライン酸使用グループで73.33%、安慰剤グループでは13.33%。
  • PIH(黒ずみ)改善率:アゼライン酸使用グループで同様の改善が見られました。

3. 副作用

アゼライン酸を使用した66.67%の被験者が、軽度の顔の赤みや刺痛、乾燥、かゆみ、皮むけなどの副作用を経験しました。しかし、これらの症状は通常7日以内に消退し、その後は耐性が形成されました。

結論

この研究により、15%アゼライン酸ジェルは、ニキビ後の赤みや黒ずみを効果的に改善し、皮膚のバリア機能に悪影響を与えないことが確認されました。また、日常生活におけるQOLの向上にも貢献し、安全性が高いことが証明されました。

特に、繰り返しニキビができやすい人や、ニキビ跡の赤みが長期間残ってしまう場合は、外的な介入が必要です。その中でも、アゼライン酸は非常に有効な治療手段となるでしょう。

ニキビ跡のケアとして、アゼライン酸を使用してみるのも一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか?


参考文献

Shucheng H, Zhou X, Du D, Li J, Yu C, Jiang X. Effects of 15% Azelaic Acid Gel in the Management of Post-Inflammatory Erythema and Post-Inflammatory Hyperpigmentation in Acne Vulgaris. Dermatol Ther (Heidelb). 2024 May;14(5):1293-1314.

 

投稿者 のち

ニキビ星人のちです。ダーマペン3回、Vビーム一回、台湾でTCA&CO2レーザー治療一回、今もクレーターを治療中です。ほぼ日本の有名なクレーター治療できるクリニックいきました。このブログを使って、ニキビやクレーターに悩んでるみんなに有益な情報を紹介したいです。

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